有木屋

日時:2009年1月12日(月・祝)11時30分〜







2日前、長蛇の列で断念した某塩ラーメンこと有木屋へリベンジのため向かった。
開店1時間前、車で前を通った時は人の気配が無かったので良し良しと思い車を置いて
30分前に着いた時には既に3組の家族連れが並んでいた。
3組の家族といえど、カウンターに6人しか座れないので、子供の多い家族連れだと家族貸切状態になってしまう。
せっかく早く来たのに寒い浜風に当たりながらしばし待つ破目になってしまった。
11時30分の開店時には既に20人くらいの人が並んでいただろうか。
朱華園やつたふじなら見慣れた光景だが、
人気の少ない狭い路地に行列が出来ていれば、一体何事か!?と思われるのも無理はない。
先日のテレビ放送が切っ掛けかどうかはわからないが凄い人気である。
開店して15分くらいで一組の家族が食べ終わりついに店内に潜入。
外観からして狭いイメージがあるが中に入るとやはり狭い。
しかし狭いながら古風のある店内でラーメン屋というより和をイメージした雰囲気だ。
内外の壁には珪藻土、カウンターや椅子も松、檜、杉などの自然素材を使用しているとか。



メニューが多くて悩むことはしばしあるが、
あっさりとこってり、そしてうず潮そばのどれにしようか・・・メニューが少ないのに悩んでしまう。
ちなみにお茶漬けセットというのは、ラーメンの残り汁にご飯を入れて食べれるセットのことであり、
あっさりよりもこってりの方が脂が多く、
うず潮そばと海味そばの違いはチャーシューと鳥のつくねの違い。
とりあえず海味そばのあっさりを注文。
塩ラーメンとは聞いていたが、いやはやこれが塩ラーメン!?
それは今まで食べた事のある塩ラーメンとはとてつもなくかけ離れていたラーメンだった。
塩ラーメンというより有木屋独自の海味そばというブランドラーメンだ。



トッピングは、カイワレ、ワカメ、白ネギ、炙りチャーシュー、煮玉子。
炙りチャーシューは自家製チャーシューをその場でバーナーで丁寧に焼いている光景が目に入る。
玉子は、店主が酪農と直で契約して新鮮な玉子を入手している。
麺は手間隙かけたちじり系の自家製麺。
厨房内に自家製麺製作機があり、仕込み前の朝早くから作っているに違いない。
スープは魚のアラと野菜で仕上げており化学調味料を一切使っていない。
ラーメンが出てきた瞬間、何とも懐かしい匂い。
そして一口呑むと、小さい頃におばあさんが作ってくれた鯛のアラ汁を思い出した。
塩といえばこの辺だと伯方の塩を使ったラーメンを想像してしまうが、
塩ではなく、魚から出る自然の塩をダシにしたまさに本当の塩ラーメンがここにはあった。

はっきり言って、尾道ラーメンではない。
尾道ラーメン目当てに訪れた観光客は敬遠されるかもしれない。
でも、そうと知らずに訪れた観光客が食べても、きっと尾道ラーメンとして違和感無く受け入れてくれると思う。
むしろ、こういうラーメンこそが尾道らしさを感じられるのではないだろうか。
確かに美味しかった。
確かに海の味がした。

ただ非常に残念なことは、
店主拘り抜いた究極の一杯なだけに600円という値段は妥当、むしろ安い方だと思うが、
尾道市内のラーメンではダントツ高い。
そして美味しいが美味しくても量が少なければ満腹感が得られない。
6人しか入れないので行列が出来れば30分以上の待ちは覚悟しておいた方がいいだろう。
また狭いスペースなだけに列が出来ていれば落ち着いてのんびり食べる余裕は無い。
あとは、スープが無くなり次第閉店なので夜の営業は無いのかな。
訪れてもなかなか食べれないのもまた究極ならではなのであるが、
もう少し気軽に食べれるような、まさに地元しか知らない隠れた名店的存在でいて欲しかったかな。
店の雰囲気からして隠れた存在の方が似合うような気がする。
だって6人しか座れないのだから。





もし行列に断念した場合、お隣に美味しそうな食堂があります。
向かいの店からは香ばしいパンの匂いもします。
商店街に入れば、お好み焼き屋さんから焦げたソースの匂いが襲ってきます!
尾道ってラーメン以外にも美味しそうな店がたくさんあるんだなと改めて思った。

雑誌やテレビで注目を浴びているラーメン屋ではあるが、実は店主はラーメンの修行経験が無いようです。
元は海外で寿司を握っており、その後、広島市内で有木屋を開店。
1度店を閉めて、尾道で再びオープン。
毎日が試行錯誤しているようなので、ひょっとしたら海味そばは進化していくかもしれません。
尾道の新しい味としてこの先、どう受け入れられるか今後も見守ってみたいと思います。






2010年2月7日(日)15時00分〜

うちの相方さんにここのラーメンを食べさせてあげたくて久々に訪れた。
15時を回っていたのでもう閉まっているかと思ったらまだ開いていた。
この店はスープが無くなり次第店じまいするので、大概15時を過ぎると閉まっている場合が多いのだが、
今日は客が少なかったのか私たち夫婦で最後の客となった。
前回、海味そばのあっさりを頼んだので、今回は「うず潮そば」を頼み、
相方さんは「海味そばこってり」を頼む。
ラーメンだけでは足りないと前回の反省から私は追加でチャーシュー丼。
相方さんは、お茶漬けセット小にした。


見た目は「あっさり味」と変わらない「海味そばこってり味」


お茶漬けセット。残りのスープをご飯にかけて食べる。

こってり味は、脂分が表面に溜まっているのでよく混ぜて食べることをオススメ。
のちにお茶漬けとして食べるなら、事前にこってり味を頼んだ方が、
柚子とワサビが絶妙にマッチして美味しいらしい。
チャーシューの代わりに鳥のつくねが入っているうず潮そばは、あっさりしていて美味しかったけど、
海味そばと値段が同じなのでやっぱりチャーシューの方がお得な感じがする。
玉子は相変わらずとろーりとして美味しかったです。
チャーシュー丼にもそんなとろーり玉子が乗っているのが嬉しかったが、
もう少し、チャーシューのクセのある味があっても良かったかな。


うず潮そば(チャーシューの代わりに鳥のつくねが入っている)


チャーシュー丼





尾道市土堂1丁目11-22
営業時間/11:30〜スープが無くなり次第閉店(15時頃)
定休日/火曜日
0848-24-7797



この内容は2010年2月7日付けのものです。

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