クラウン

2011年12月24日(土)21時00分〜






クリスマスイブに夜のネオンが灯る尾道の裏の顔である新開地区に怪しげな中華料理店がある。
日曜休日で19時から営業なのでなかなか行く機会が無かったが、
今日を逃すと今年はもう行けないと思ってようやく玄関をくぐることになった。
市役所の有料駐車場に止めて寒い夜空の下、怪しげなネオン街を歩いて店に到着。
知らない人が見ると「一見さんお断り!?」と思わせるような外観にひいてしまうが、
特に躊躇することなく入店。
店内は外観同様中華料理店の雰囲気はまったく無く、
10人掛けの楕円状のカウンターのみで、どう見てもお酒を飲むスナック。
噂には聞いていたが本当にラーメンが出てくるのか・・・
もしかして怖いおっちゃんが出てきて怪しげな料理を食べさされるのでは・・・
もしかして綺麗なお姉さんが出てきて、お酒を飲んでぼったくられるのでは・・・
とヒヤヒヤしつつ変な妄想が広がるが、
メニューを見るとリーズナブルな料金設定の中華メニューが並んでいた。



いろんな麺類がある中、私が頼んだのは味噌バターラーメンと焼飯。
セットメニューは無いので単品で頼むと高い晩御飯になってしまったが仕方ない。
同行人相方Tは中華そば。
狭い厨房ではご主人がメイン調理で奥様だと思われる方が補佐なので、
料理が出てくるまで結構な時間がかかるが、そこは不平不満を言わず我慢。
最初に出てきたのは焼飯。
尾道風で程よい味付けに油は控えめでとても美味しい。
しかし値段(500円)の割りには量が少なくちょっと物足りないがラーメンと一緒に食べるにはちょうど良い量ではある。


次に出てきたのは中華そば。
とある雑誌によるとスープは「鶏がら、豚がら、カツオ粉、イリコ、野菜」からとっている拘りと、
麺は力石なので美味しくない訳が無い。
外観や店内からまさかこのような本格派正統尾道ラーメンが出てくるとは誰が想像しただろうか!?
スープを飲ませてもらったが、あっさりした中に魚介系の酸っぱさが良いアクセントになっていた。
ラーメンにうるさい同行人相方Tもかなり高い評価のようでした。


炒飯を食べ終わった頃に味噌バターラーメンが登場。
味噌の濃厚さは無くあっさりした味噌にバターのコクがちょうど良い。
七味はコショウと同じく好みで後入れなので辛いのが苦手でも大丈夫。
麺は中華そば同様、平打麺で少し柔らかめ。
熱々のスープなのに麺が延びないのは力石製麺マジック。
飲み屋街のラーメン屋といえば、大概ぼったくりラーメンが多いけど、
650円で味噌バターラーメン、しかもスイートコーンに厚切りチャーシューまで入っているのに良心的な値段に感動でした。
スイートコーン専用穴あきレンゲも一緒に出してくれるところも何気に嬉しい親切です。


クラウンは1972年に開業。
元々スナックだった店を改装することなく中華料理店として営業してしまうところが凄いですが、
どこか似たような店に最近行ったような・・・宇宙一美味しいラーメンで御馴染みのフレンドもたしかそんな造りだったっけ。
無口ながらもどこか優しさを感じる奥さんを見ると
寒い冬に冷え切った体を芯から暖めてくれたクリスマスイブの夜でした。
いつか新開で一杯やった後に〆でラーメンを食べに来たいです。






0848-37-6005
尾道市久保1丁目5−13
営業時間/19:00〜26:00
定休日/日・月曜日


この内容は2011年12月24日付けのものです。


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